宮古上布の特徴(2)

●(製織)
無地物の経糸の綛数の算出
@織物を製造する時は、まず織物に要する経糸の綛数を算出する。

これを算出するには筬羽(オサバ)の数・筬、1羽の中に入れるべき経糸の本数・1カセ(1ヨミ)糸の長さ・織物の長さなどを計算する。


●A筬は多くの羽を有する。この羽と羽の間の経糸を入れるが、糸の本数は普通2本づつ入れる。筬の羽数は普通10算(ヨミ=升)・12算・15算などと称する。

●B筬羽40枚を1算と定める。10算の筬とは1幅の間に400羽(40×10)を有し、12算の筬は一幅の間に480羽(40×12)を有するもので、筬幅は普通一尺5分(約32p)である。宮古上布の場合は鯨尺1尺1寸2分(約38p)の筬を使用する。

●C織物1反の長さは普通2丈8尺(約850p)から3丈(約909p)内外である。この織物を織るには3丈3・4尺(1030p)の経糸を必要とする。その理由は織り元と織り末の余分と、経糸と緯糸とを組み合わせると多少の収縮がでるため、余分の長さを見積もるからである。宮古上布の長さは小柄ものが3丈5寸(924p)、中柄・大柄の長さは3丈1尺(939p)で、これに要する経糸の長さは普通、3丈4尺(103p)を見積もっている。
#曲尺(金尺)の一尺=30、3p・・鯨尺も8寸
#鯨尺の1尺=37.879p・・・曲尺の1.25倍

糊の製法・糊の付け方
織物の製織りにあたって経て糸に糊を付けることは最も大切なことで、付け方が上手な場合はその取り扱いも便利で、製織りするときは容易に切断することはない。織物の糊の原料には生麩、馬鈴薯・布海苔があるが、上布用には芋と栗がらを交ぜて調合したものが最もよく、天候・温度で調合を手加減する。3.4月頃の東風或いは南風の湿気のある時は、糊の調合を少々硬くする。冬の北風強く乾燥している場合には少々軟らかく調合する。

下拵(したこしらえ)
糸のが用意され、織り始めるまでの準備工程を下拵えという。この工程には繰返(くりかえし)・整経(せいけい)・経巻(たてまき)の3工程がある。

●@繰り返しとは、綛糸を枠に移す工程のこと。

●A整経とは、枠に繰り返した糸を尾巻に巻き付けるため糸を計ることを整経といい、整経器・整経台を用いる。
●B経巻とは、尾巻に巻き付ける工程のこと。これを行うには人手で巻く場合と機械で巻く場合とがある。経糸は製織に大きく関わるので、丁寧に櫛でけずりつつ一様に巻くようにする。


●洗濯
織り上げた布は洗濯して商品おする。その方法は、適量の水を鍋に入れて沸騰させ、これに織り上げた布を入れて煮、すぐに取り上げて水洗いし乾かす。次に糊を作る。糊は芋の澱粉一合位えお鍋に入れ少し水を入れてかき混ぜ、これに熱湯を注ぎながらかき混ぜると糊ができる。この糊を薄くして洗濯タライに移し、布を入れて糊付けして乾かす。半乾きしたとき畳んでさらに乾かし、また畳んでキヌタ打ちを行いツヤを出す。
(参考資料 宮古の織物)